お知らせ
新型コロナウイルス流行下での婦人科がん患者さんへの4つの注意点
子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなどの婦人科がんで治療中またはこれから治療を控えている方、さらには治療が終了した方から新型コロナウイルスとどのように向き合うべきか不安の声が聞かれます。また子宮がん検診で異常を指摘された方も今後の確定診断までの精密検査スケジュールについて多くの心配をされています。
また子宮がん検診で異常を指摘された方も今後の確定診断までの精密検査スケジュールについてご不安を抱かれていると思います。
当院で新型コロナウイルス流行下での婦人科がん診療の4つの注意点について簡単にまとめました。
[1] 子宮頸部細胞診異常がある方(子宮がん検診で異常を指摘された方)
・通常通りの精密検査(コルポスコピー、組織診)を行い、確定診断を行います。
・ 病理診断の結果によりすぐに治療を行わない場合には現時点では3~6か月の間隔で経過観察を行います。検査異常の程度により、観察期間は異なります。
[2] 以前骨盤リンパ節郭清を受けている方
骨盤リンパ節郭清を受けている方は、足の蜂窩織炎を合併する可能性があります。蜂窩織炎は目に見えないほどの小さな足の傷や水虫などによって感染を起こし、足が腫脹し40℃台の発熱を伴います。新型コロナウイルス感染が沈静化するまでは当然不要な病院の受診は避けたいものです。可能な限り蜂窩織炎の予防に努めましょう。夏場はとくに肌の露出も増えますが、散歩などの外出時には可能な限り長ズボンや靴下を着用し、フットケアに十分努めてください。
[3] 抗がん化学療法の終了後2年以内の方
免疫力が低下している可能性があり、マスク、手洗い、3密の回避など家族を含めた新型コロナウイルス感染対策が必要です。
[4] 婦人科がん以外にも慢性疾患を持っている方
心血管疾患、糖尿病、高血圧、慢性呼吸器疾患などの慢性疾患はそれだけで新型コロナウイルス感染症重症化のハイリスクです。婦人科がん患者さんでこれらの合併症を有している方はさらなる感染予防が必要です。