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子宮頸がんの”4価ワクチン”と”9価ワクチン”って何?

HPVは性交渉で感染するためワクチン接種の年齢は“初めての性交渉を経験する前”が推奨されます。具体的には「小学6年生から高校1年生(概ね12歳~16歳)」に3回のワクチン接種を終了していることが望ましいです。3回のワクチン接種が終了するまでに6か月間かかりますので、接種スケジュールを“かかりつけクリニック”と十分に相談する必要があります。小学6年から高校1年生までは費用負担はありませんが、それを超えると現行では自費診療となります。現在、16歳以上の方に対してもHPVワクチン接種の無償化を求める声が大きくなっています。ワクチン接種後の「多様な症状」が出現したとの報告があり、現在厚労省は“ワクチン接種の推奨を中止する”との立場ですが、HPVワクチン接種を取り巻く世界情勢を見渡して日本だけが“子宮頸がん大国”とならないようにご検討いただきたいと思います。

2020年5月22日に「厚労省が子宮頸がんの“9価ワクチン“を承認・認可した!」というニュースが飛び込んできました。HPVには200種類以上の様々なタイプがあり、そのうち20種類程度が子宮頸がんを引き起こすことが分かってきました。現在は日本で使用されているHPVワクチンは「16、18」の2価、「16、18、6、11」の4価です。子宮頸がんの患者さんの約70%は16型や18型が陽性であり、とくに強い力を持っていると考えらえます。一方で、6型と11型は子宮頸がんではなく、尖圭コンジローマなどの性病を起こします。現行の4価ワクチンにより、子宮頸がんと尖圭コンジローマを予防します。現在、当クリニックでは4価ワクチン(ガーダシル)を投与しています。

今回、認可が下りた”9価ワクチン“は「16、18、6、11、」に加えて「31、33、45、52、58」の9つのHPV型をブロックします。驚くことに子宮頸がんの90%程度が予防できると考えられています。しかし、認可されても日本用として病院で使用できるまでには1年以上がかかる見通しです。”9価ワクチン“を希望する方に1日でも早く予防接種できるように環境整備を急いでいただきたいと思います。

WHOでは2030年までに“子宮頸がんワクチン接種”、“子宮頸がん検診”、“子宮頸がん治療”が整った形で世界中に普及すれば「2085年から2090年に“子宮頸がん”が世の中から排除される。」と試算しています。60年後に日本だけが“子宮頸がん大国”とならないように私も一人の産婦人科医として日々努力を重ねていきたいと考えます。

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