お知らせ
もし子宮がん検診で異常が見つかったら?
もしあなたに子宮がん検診で“異常あり”の通知が届いたらどうしますか?
「どこに相談したら良いのか?」、「急いで病院を受診した方がよいのか?」などたいへん不安になります。子宮がん検診で“異常あり”との通知が来た場合にはまず精密検査のできる婦人科を受診してください。子宮がんの精密検査が可能な施設は地方自治体や各県医師会のホームページで検索できます。
熊本市ホームページより
Q1. 実際に婦人科受診をした際にどのような流れで精密検査が進められるのでしょうか?
✓はじめに婦人科では検査結果の内容を確認させていただきます。異常の内容によって検査アプローチが異なります。
・細胞の異常がある
・卵巣が腫れている
・子宮筋腫が疑われる
・腟炎がある・・・
検査結果の記載には分かりにくいものも含まれます。不明な点を医療機関で確認されることをお勧めします。
Q2. 婦人科での精密検査とは実際にはどのようなものでしょうか?
✓拡大鏡で子宮の入り口を確認
細胞の異常を指摘された場合にはコルポスコピーといわれる拡大鏡で子宮の入り口を確認します。その際に子宮の入り口にお酢(酢酸)を浸します。お酢により病気の部分が白く浮き上がって見えやすくなります。検査の際にお酢を使うので少ししみる感じがあるかもしれません。
✓生検
コルポスコピーで確認して病気が疑われればその部分を小さく生検します。チカっとして少し痛みを伴い出血する場合があります。この生検した組織を顕微鏡で確認することにより初めて診断がつきます。子宮頸がん、異形成など・・・。
✓HPV検査
ヒトパピローマウイルス(HPV)の検査を行う場合があります。子宮頸がんのほとんどは性交渉によるHPV感染が原因です。HPV感染の有無によりその後の推奨される受診間隔が異なる場合があります。HPV検査は子宮の入り口をブラシで擦って細胞採取することで終了します。結果が返ってくるまでに1週間程度かかります。
Q3. 子宮がん検診で何がわかるのか?
子宮がん検診では子宮頸がんやその前がん状態をスクリーニングされます。がんの早期発見につながります。また子宮頸がん以外にも他の婦人科疾患が見つかる場合もあります。
2018年の調査で熊本市の子宮がん検診を受けた8,630名のうち検診の際に368名(4.3%)に子宮筋腫が見つかっています。さらに子宮頸管ポリープが115名(1.3%)、卵巣の腫大が94名(1.0%)に指摘されました。その他、萎縮性腟炎、カンジダ腟炎などの炎症やコンジローマなどの性感染症の有無がわかる場合もあります。
検診で見つかった子宮筋腫や卵巣腫大のすべてが治療対象となるわけではありません。しかし、精密検査のうえ手術や投薬などの治療が必要となる場合もあります。
子宮がん検診で異常があった場合でもさまざまな理由で婦人科受診が先送りになってしまうことがあります。気づいたときには病状が進行しているケースもあります。”異常あり”の検診結果を受け取った場合にはなるべく早く一度婦人科にご相談ください。