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”がんサバイバー”のことを知っていますか?

12月14日は出張のため休診させていただきました。受診を予定されていた方には大変ご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。

このたび東京で開催された第6回日本婦人科腫瘍学会研修会に出席してきました。この研修会は婦人科腫瘍専門医にとって必須の知識を得る場となっています。今回も様々なアップデートな情報を勉強させていただきました。とくに新聞やニュースでよく目にする“がんサバイバー”についての講演が印象的でした。“がんサバイバー”とはがん治療が終了した患者さんを意味するものと思っていましたが、実は治療中の方、治癒が望めない方、さらにはその家族や友人なども含めた広い言葉であることを知りました。一旦がんが見つかると手術、抗がん剤、放射線治療、分子標的薬、免疫療法などの治療が開始されます。その後、治療が終了すると長い長い経過観察の期間に入ります。この期間は通常5年間ですが、特殊な卵巣腫瘍では10年以上も定期的な経過観察が必要になる場合もあります。この間は“がんサバイバー”にとって正に心身ともに疲弊する期間となります。

また日本では「がんサバイバーの離職」が問題となっています。がん患者さんの約3分の1は20代から60代の就労可能年齢にがんが見つかります。さらには“がん”と告知された方の約4割が治療開始前に仕事を辞めてしまっている現実があります。正に働き盛りに“がん”が見つかり、離職してしまうことなります。一旦、離職すると復職は難しいため“がんサバイバー”には経済的な問題も突き付けられます。今、全国のがん治療を行う総合病院には“がんサバイバー”のためのがん相談支援センターがあります。そこでは専門の相談員が治療中の経済的な問題についても事細かに相談に応じていただけます。まだまだ認知度が低いところがありますが、“がんサバイバー”の方々には離職を決定する前に、一度かかりつけの総合病院にご相談いただきたいと思います。

以前はわたしもがん患者さんへは「無理のない程度に仕事をしてください。体が第一ですから、仕事をやめることも選択肢ですね。」などと曖昧な説明をしていました。しかし、今は「軽々に離職せずに一度がん支援センターに相談すること」を強く推奨しています。
現在、2人に1人が“がん”になる時代となりました。私もいつか“がんサバイバー”となるかもしれません。当クリニックに来院される方々には常にアップデートな医療情報や高次医療施設への適切な連携を提供したいと考えています。

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